GPTs(カスタムGPT)販売で稼ぐ方法|成功事例と規約の注意点まとめ

GPTs(カスタムGPT)の販売で稼ぐ方法をテーマにしたアイキャッチ画像。AIロボットと人物が対話しながら、収益と注意点を象徴するグラフやコイン、警告マークを配置。
目次

ChatGPTの「GPTs機能」が生んだ新しい副業チャンス

AIが進化する中で、「GPTs(カスタムGPT)」を作って販売するという新しい収益モデルが注目を集めています。
GPTsとは、OpenAIのChatGPT機能をベースに、特定の分野や目的に合わせて自分でカスタマイズしたAIアシスタントのことです。

たとえば──

  • 「税理士向けChatGPT」
  • 「YouTube台本を自動生成するAI」
  • 「営業メールの返信率を上げるGPT」
    といった専門用途のAIを自分で設計し、販売や公開ができるようになりました。

2024年以降、GPT Store(GPTストア)が登場し、世界中で数十万のGPTが登録されています。
この中で上位にランクインするGPTは月数十万円以上の収益を上げる例もあり、まさに「AI時代のアプリストア」といえる存在になっています。

しかし、ブームの裏で「規約の誤解」や「販売方法のリスク」に気づかずトラブルになるケースも増えています。
この記事では、GPTsで稼ぐ仕組みから成功事例、そして見落としやすい規約の落とし穴までを、わかりやすく整理して紹介します。


GPTs販売が注目される3つの理由

1. ノーコードで誰でもAIを“商品化”できる

かつてAIを販売するにはプログラミングが必須でした。
しかしGPTsでは、プロンプト(指示文)を書くだけでAIを構築できるため、非エンジニアでも販売可能です。

作り方はシンプルです。
ChatGPTのメニューから「Explore GPTs」→「Create a GPT」を選び、

  • どんな用途のAIか
  • どう答えるべきか
  • 使える外部ツールやファイル
    を設定するだけで完成します。

これにより、知識や経験を“AI化”して販売することが可能になりました。


2. GPT Storeで収益化が容易

GPTsは「GPT Store」上に公開でき、ユーザーはアプリのように自由に利用可能です。
収益化の方法には主に次の2種類があります。

収益方法内容メリット
① GPT Storeの収益分配OpenAIが設定する収益プールから分配される(利用数や評価に応じて)不労収入型。公開するだけで報酬が発生
② 有料コンテンツ・連携販売外部で販売(例:note、BOOTH、Udemyなど)独自価格設定が可能。販売単価を自由に決定できる

特に②の「外部販売モデル」は、日本のクリエイターに人気。
GPTsを「テンプレート+販売マニュアル」としてまとめて販売し、デジタル教材・副業パッケージ化するケースも増えています。


3. 継続課金モデルが構築できる

GPTsを単発販売するだけでなく、定期利用サービスに組み込むことも可能です。
たとえば以下のような例があります。

  • 税理士事務所が「AI経理相談GPT」を月額制で提供
  • マーケターが「AIコピーライターGPT」をサブスクで販売
  • 教育系企業が「資格対策GPT」をオンライン教材に組み込み

一度構築したGPTをクラウド上で運用するだけで、毎月安定した収益を得られる可能性があります。


収益化の裏に潜む“規約の壁”

「GPTを販売すれば簡単に稼げる」と思われがちですが、
実際にはOpenAIの利用規約・APIポリシー・商標ルールを理解しておかないと、思わぬリスクに直面します。

● 商用利用と非商用の線引き

OpenAIのChatGPT利用規約では、商用利用は許可されています。
ただし、他者の著作物やブランドを利用したGPTを販売することは禁止です。

例:

  • 「任天堂のキャラクター」や「有名人の声」を模倣するGPT → NG
  • 「ChatGPT公式」や「OpenAI公認」と誤認される名称 → NG

一方で、自分で作ったオリジナルGPTや独自ノウハウを活用する場合は問題ありません。


● 利用データの扱いに注意

GPTsにアップロードされたデータ(顧客情報・PDFなど)は、ユーザーが所有権を保持します。
開発者が勝手に利用・再配布するのは規約違反となります。

また、GPT作成者はプライバシーポリシーを明示する必要があります。
特に日本国内で販売する場合、個人情報保護法に基づき、
「どのようなデータを収集・保存・削除するか」を明記することが求められます。


● 税務・所得区分にも注意

GPT販売で得た収益は「雑所得」または「事業所得」として申告が必要です。
継続的に販売している場合、事業所得として確定申告するのが一般的です。

収益形態税務上の扱い主な控除・経費
GPT Store分配雑所得通信費、サブスク費用
外部販売(BOOTH等)事業所得制作費、人件費、広告費

売上が年間48万円を超えると課税対象となるため、副業として始める場合でも注意が必要です。


GPT販売における「禁止事項」と「落とし穴」

GPTs販売の初心者が見落としやすい違反・リスクを整理します。

1. 著作権素材を使ったGPTの販売

たとえば「ドラえもんGPT」「ディズニーGPT」など、
既存のキャラクターや商標を無断利用したカスタムGPTは著作権・商標権の侵害にあたります。
公開した時点で削除される可能性が高く、最悪の場合は法的リスクもあります。


2. 生成AIの出力を「そのまま販売」

GPTが生成したテキストや画像をそのまま販売する場合、著作権の所在が曖昧になります。
OpenAIの規約では、生成結果の商用利用は認められていますが、
「出力をそのまま再販する行為(例:他人が作ったGPTのコピー販売)」は原則禁止です。

✅ 対策
自分のオリジナル設定・データを加えて再構築すること。
つまり「AIの使い方」ではなく、「AIで作った“成果物の価値”」を売ることが重要です。


3. ChatGPTのブランドを直接利用

「ChatGPTで稼ぐ」「ChatGPT公認ツール」などの表記も注意が必要です。
OpenAIの商標ガイドラインでは、「ChatGPT」や「OpenAI」を製品名に含めることは禁止されています。

安全な表現例:

  • ❌ ChatGPT副業支援ツール
  • ✅ GPT活用副業支援アシスタント

4. 他者のGPTを複製・販売

他人が作ったGPTの設定をコピーして販売することも規約違反です。
GPTのプロンプト構成は制作者の知的財産にあたるため、
オリジナル性を出すためには自分のノウハウやスクリプトを追加する必要があります。


5. 無申告での継続収益

GPT販売収益を放置すると、税務署からの指摘リスクがあります。
特に海外プラットフォーム(OpenAI、BOOTH、Stripe等)を経由した場合でも、
日本居住者は国内での所得として申告義務があります。

実際に稼いでいるGPTs販売の成功事例

GPTsの販売はまだ新しい市場ですが、すでに成果を上げている制作者が多数登場しています。
ここでは代表的な3つの成功パターンを紹介します。


① スキルをGPT化して販売した専門家の例

税理士・ライター・エンジニアなど、専門知識を持つ人が自分の知識をGPTに埋め込んで販売するケースです。

✅ 事例

  • 「税理士GPT」
    税務相談の初期対応を自動化するGPT。質問内容に応じて、青色申告や経費処理の手順を提案。
    → 会計事務所のサイト経由で月10件以上の有料契約につながる。
  • 「AIライティング補助GPT」
    SEO構成案や見出し案を自動生成。
    → ブロガーやWebライター向けに月額980円で販売し、300人以上の登録者を獲得。

専門家がAIを使って「自分の分身」を作ることで、時間を使わずにスキルを販売できるのが最大の特徴です。


② AI教材と組み合わせた情報販売の例

GPT単体ではなく、学習教材・操作マニュアルとセットで販売するパターンです。

✅ 事例

  • GPT作成講座+テンプレート付き教材(価格:5,000〜15,000円)
  • 生成AI活用eBook+GPTアクセス権セット販売

この方式では、GPTそのものよりも**「使いこなすノウハウ」や「テンプレートの再現性」**が価値になります。
特にnote・BOOTH・ストアカなどのプラットフォームで人気です。


③ GPTを使った自動化ツール販売の例

ZapierやGoogleスプレッドシートなどの外部ツールとGPTを連携し、業務自動化ツールとして販売するモデルです。

✅ 事例

  • 「営業メール自動返信GPT」:ChatGPT+Gmail+RPA連携
  • 「顧客アンケート分析GPT」:ChatGPT+Googleフォーム連携
  • 「SNS投稿支援GPT」:ChatGPT+Canva API+スケジューラー

これらは月額制サブスクで提供されることが多く、毎月安定した継続収入が見込めます。
企業向けに販売すれば、1契約で月3〜10万円の単価になるケースもあります。


GPTs販売の始め方ステップガイド

では、これからGPTsを販売してみたい方が、どう始めればいいかを手順で見ていきましょう。


ステップ1:テーマを決める(=誰のどんな課題を解決するか)

まず、「誰の」「どんな悩みを」「どのように解決するAI」を作るのかを決めます。
人気ジャンルを参考にするのもおすすめです。

ジャンル具体例需要度
文章生成SNS投稿、営業メール、ブログ構成★★★★★
教育・学習資格対策、語学練習★★★★☆
クリエイティブ画像説明、プレゼン構成★★★★☆
ビジネス支援データ分析、経理補助★★★★★
趣味・ライフ旅行提案、健康アドバイス★★★☆☆

AI販売で成功している人の多くは、“特定の層”に絞ったGPTを作っています。
たとえば「フリーランス向け見積もりGPT」「不動産オーナー専用AI」など、ニッチなテーマほど収益化しやすい傾向にあります。


ステップ2:ChatGPT上でGPTを作成

ChatGPT(PlusまたはTeamプラン)を開き、以下の手順でGPTを構築します。

  1. 左メニュー「Explore GPTs」→「Create」をクリック
  2. 「指示文(プロンプト)」を記入
  3. 画像・ファイル・Webブラウザ連携などを設定
  4. テスト実行で動作を確認
  5. タイトル・説明文・カテゴリーを登録して保存

👉 ポイント:

  • 回答スタイルを「敬語」「カジュアル」などで指定する
  • NGワード・禁止出力を明記して安全対策を取る
  • 「Custom Actions」で外部APIやURLを接続可能

これでオリジナルGPTが完成します。


ステップ3:販売・公開の方法を決める

GPT販売の主な方法は以下の3つです。

方法特徴向いている人
GPT Storeで公開世界中のユーザーに無料公開できる。人気が出れば分配収益あり認知度を上げたい人
note・BOOTH販売テンプレート+使用方法マニュアルを販売副業・教材販売型
自社サイト/SNS継続契約・企業案件を狙うビジネス展開型

たとえば「無料版をGPT Storeに公開 → 有料版をnoteで販売」というハイブリッド戦略も効果的です。


稼ぐためのコツと収益モデルの組み合わせ方

GPT販売で安定収益を出すには、「収益構造を設計」することが鍵です。

収益モデル例

モデル概要月収目安
単発販売型GPT+マニュアルを1回販売5〜10万円
サブスク型GPT+更新サポート(月額課金)10〜30万円
連携ツール型GPT+RPA連携ツールで業務自動化30〜100万円
コンサル型GPT導入支援サービス50万円〜/件

特におすすめは、GPT+教育コンテンツの組み合わせです。
AIツールを「使える状態」にまで支援することで、単なるデータ販売から「価値提供型ビジネス」に変わります。


安全にGPTs販売を行うためのチェックリスト

販売前に、以下の項目を必ず確認しましょう。

法的チェック

  • OpenAIの最新利用規約・商標ガイドラインに違反していないか
  • 個人情報・アップロードデータの扱いを明示しているか

税務・会計対応

  • 収益を事業所得または雑所得として申告準備
  • 海外送金(OpenAIやStripe)の為替レート差を考慮

販売設計

  • 誤解を招く表現(「公式GPT」など)を避けているか
  • 出力内容の免責事項を明記しているか
  • 不具合時の対応ポリシーを決めているか

これらを整備すれば、信頼されるAIクリエイターとして継続収益を築く基盤ができます。


未来予測:GPT販売が「知識のビジネス化」を加速させる

GPTsの登場は、AIを「使う側」から「作る側」へ変える大きな転換点です。
もはやAI開発者でなくても、自分の専門分野・経験・スキルをGPTという形で商品化できる時代になりました。

GPT販売は「知識の資産化」の第一歩です。
ただし、規約・税務・倫理のルールを理解していないと、一瞬のブームで終わります。

正しく構築し、継続的にアップデートし続けることで、
あなたのGPTは「自分の代わりに働くAIパートナー」として、長期的な収益を生み出す存在になるでしょう。

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