AIを「使う側」から「作る側」へ!GPTs販売の夢と現実
AI(人工知能)の進化は、私たちの働き方を根本から変えようとしています。これまでは、ChatGPTなどのツールを「いかに使いこなすか」が焦点でしたが、今は「いかに自分独自のAIを作り、他人に提供するか」というフェーズへと移行しています。その中心にあるのが「GPTs」です。
GPTsとは、特定の目的(例えば「ブログ記事の構成案を作る」「特定のプログラミング言語のデバッグをする」「ダイエットメニューを提案する」など)に特化した、自分専用のChatGPTをノーコードで作成できる機能です。専門的なプログラミング知識は一切不要で、AIと対話しながら指示(プロンプト)を与えるだけで、誰でも高性能な「カスタムAI」を生み出すことができます。
そして、作成したGPTsを「GPTストア」で公開することで、世界中のユーザーに使ってもらえるようになります。OpenAI(ChatGPTの開発元)が提供する収益分配プログラムに参加すれば、あなたの作ったGPTsが利用された回数やエンゲージメントに応じて報酬を受け取ることが可能です。
「自分の知識が誰かの役に立ち、それが収益に変わる」。この新しいビジネスモデルは、フリーランスや副業家、専門知識を持つプロフェッショナルにとって、まさに夢のようなチャンスと言えます。しかし、現実はそれほど甘くはありません。ストアには既に数百万ものGPTsが溢れており、ただ「作っただけ」では、広大な砂漠に一粒の砂を落とすようなものなのです。
作っても誰も使わない?多くのクリエイターが陥る「砂漠のGPT」現象
GPTs販売を始めた人の多くが、最初の一歩で挫折してしまいます。その最大の理由は、「作ったのに誰にも使われない」という現実に直面するからです。
精魂込めて「最高のAI」を作ったつもりでも、ストアのランキングに表示されるのはほんの一握りの有名GPTsだけ。検索機能があるとはいえ、一般的なキーワード(例えば「翻訳」「要約」など)では競合が多すぎて、あなたの作品は検索結果の深い場所に埋もれてしまいます。
よくある失敗のパターンを整理してみましょう。
- 【ターゲットが広すぎる】:誰にでも役立つ「汎用的なAI」を作ってしまう。汎用的な機能は、OpenAI本体(デフォルトのChatGPT)がどんどん進化して取り込んでしまうため、個人のカスタムGPTが勝てる余地はほとんどありません。
- 【プロンプトが甘い】:誰でも思いつくような簡単な指示しか入っていない。「それなら自分でChatGPTに直接指示すればいいや」とユーザーに思われてしまい、リピートされません。
- 【宣伝をプラットフォーム任せにする】:GPTストアに公開さえすれば、OpenAIが集客してくれると思い込んでいる。現在のストアの仕組みでは、外部からの流入や初期の利用実績がない限り、上位に表示されることは極めて困難です。
これらの課題は、多くの初心者が突き当たる「壁」です。しかし、この壁の正体を知ることは、逆転への大きなヒントになります。成功しているクリエイターは、これらの問題を「ニーズの絞り込み」と「戦略的な宣伝」で解決しているのです。
結論:GPTsで稼ぐための「勝てる」黄金法則
GPTs販売で着実に収益を上げ、ビジネスとして成功させるための結論は一つです。それは、「特定の狭い悩みに深く刺さるニッチなGPTを作り、ストアの外で認知を獲得してからストアに流し込む」という戦略です。
具体的には、以下の3つのポイントを徹底することが、稼げるクリエイターへの最短ルートとなります。
- 【超・特化型のニーズ攻略】:「何でもできる」ではなく「〇〇の作業を5分から30秒にする」といった、具体的な時間短縮やストレス解消を提供すること。
- 【独自の知識ベース(ナレッジ)の活用】:ネットで拾える情報だけでなく、自分の経験や独自データ、専門書籍の知識などをAIに読み込ませ(ナレッジ機能)、他には真似できない回答の質を実現すること。
- 【SNSと外部メディアを起点にした導線設計】:X(旧Twitter)やYouTube、個人のブログなどで「このAIを使えばこんなに楽になる」という体験を動画や画像で見せ、直接URLを踏ませてストアへ誘導すること。
「ストアの中で見つけてもらう」のを待つのではなく、「ストアの外でファンを作り、ストアへ招待する」という姿勢こそが、2026年現在の成功者に共通するマインドセットです。これにより、初期の利用実績が積み上がり、結果としてストア内のアルゴリズムでも高く評価され、さらに多くの自然流入を獲得するという「正のループ」が生まれます。
なぜ2026年の今、GPTsビジネスが最大のチャンスなのか
なぜ、今このタイミングでGPTsに注力すべきなのでしょうか。そこには、AI市場の成熟とプラットフォーム側の進化という、明確な理由があります。
加速する収益分配プログラムと広告モデルの導入
OpenAIは、ビルダー(作成者)への収益還元を年々強化しています。当初は米国の一部ユーザーのみが対象でしたが、現在は日本を含む多くの地域のクリエイターが、利用回数に基づいた報酬を受け取れるようになっています。
さらに、2026年に入り、無料ユーザー向けの「広告サポートモデル(ChatGPT Goなど)」が本格的に普及したことで、プラットフォーム全体のユーザー数が爆発的に増加しました。これにより、有料プラン(Plus)に入っていない層もあなたのGPTsを利用できるようになり、収益のパイが格段に広がったのです。
「使われれば使われるほど、広告収益の一部が作成者に還元される」という仕組みは、YouTubeの動画投稿と同じような感覚で取り組めるビジネスへと進化しました。
在庫リスクゼロ・開発コスト極小の圧倒的メリット
従来のソフトウェア開発やアプリ制作には、多額の資金や高度な技術、そして維持費が必要でした。しかし、GPTsは以下の点で圧倒的な「ビジネスとしての強さ」を持っています。
- 【開発費がほぼゼロ】:月額のChatGPT利用料(約20ドル〜)だけで、無限に試作が可能です。
- 【在庫を抱えない】:デジタルデータであるため、物理的な在庫リスクがありません。
- 【メンテナンスが容易】:指示文を書き換えるだけで、一瞬でアップデートが完了します。
- 【サーバー代が不要】:稼働にかかるインフラのコストは、すべてOpenAI側が負担してくれます。
これほど「ローリスク・ハイリターン」を狙える環境は、ITの歴史を振り返っても稀有なものです。
独自の収益モデルの比較
GPTsの収益化は、OpenAIからの分配金だけではありません。以下のように多角的なマネタイズが可能です。
| 収益モデル | 特徴 | 難易度 |
| 利用分配金 | ストアでの利用回数に応じて支払われる。最も基本。 | 初級〜中級 |
| 広告収入 | 新しい広告表示モデルによる還元。分母が大きい。 | 初級 |
| 有料note/Brain連携 | 「GPTsのURL+活用マニュアル」を買い切りで販売する。 | 中級 |
| リード獲得(法人向け) | 無料GPTsを入り口に、本業のコンサルや代行へ繋げる。 | 上級 |
| サブスクリプション | 独自のAPIを連携させ、より高度な機能を月額課金にする。 | 上級 |
このように、GPTsは「それ自体で稼ぐ」だけでなく、あなたの既存のビジネスを加速させる「フロントエンド商品(集客用商品)」としても極めて優秀なツールなのです。
成功者が実践している「売れるニーズ」の見つけ方
稼げるGPTsを作るための第一歩は、「何を作るか」を決めるリサーチにあります。成功者は、自分の作りたいものではなく「市場が飢えているもの」を正確に射抜いています。
特定の職業や専門特化した「お悩み解決」に絞る
「一般的な翻訳」ではなく「建築業界の現場監督が使う、図面の注釈翻訳」、「一般的なライティング」ではなく「不動産営業が、一瞬でお客様の心に刺さるお詫びメールを作るAI」というように、ターゲットを極限まで絞り込みます。
対象が狭ければ狭いほど、その悩みを解決した時の「感動」は大きくなります。「これは私のために作られたAIだ!」と確信したユーザーは、何度もそのGPTsを使い続け、SNSで口コミを広めてくれます。
既存ツールの「不便」を埋めるマイクロ自動化
私たちは日々、様々なツール(Excel、Slack、Zoom、Canvaなど)を使っていますが、その「ツールとツールの間にある、ちょっとした手作業」に大きなストレスが隠れています。
- 「Web会議の議事録(文字起こし)から、特定のフォーマットへ一瞬で要約する」
- 「Excelの複雑な数式を、日本語でやりたいことを伝えるだけで出力する」
- 「SNSの投稿案を、自分の過去のバズった投稿のトーン&マナーを学習して自動生成する」
こうした「ちょっとした面倒」をAIで解決する「マイクロ自動化」は、爆発的な需要があります。
圧倒的な支持を得ているカスタムAIの具体例と成功の共通点
実際にGPTストアで高い評価を受け、収益を上げているGPTsには、共通の「勝ちパターン」が存在します。それらは決して複雑なプログラムを組んでいるわけではなく、ユーザーの特定の不便を「誰よりもスマートに」解決しているのが特徴です。いくつかの具体的なケースを見てみましょう。
専門職の「型」を徹底的に再現した実務支援AI
ある成功したクリエイターは、個人事業主やフリーランスをターゲットにした「確定申告の仕訳相談AI」を公開しました。このGPTsが支持された理由は、単に税金の知識を答えるだけでなく、ユーザーが「コンビニで買ったコーヒー代はどの科目にすればいい?」といった曖昧な質問をした際、日本の最新の税制に基づいた明確な判断基準を即座に提示する点にありました。
このGPTsには、国税庁の公開情報や、信頼できる専門サイトのデータを「ナレッジ機能」として学習させてあります。ユーザーは「自分で調べる手間」を数十分に短縮できるという圧倒的なメリットを感じ、確定申告の時期に爆発的な利用回数を記録しました。
コンテンツ制作を半自動化する特化型生成AI
SNS運用の代行をしているクリエイターは、自分の過去の「バズった投稿」のデータと、最新のアルゴリズム分析を詰め込んだ「X(旧Twitter)専用・図解構成案作成AI」を作成しました。
このAIは、テーマを一言伝えるだけで、どのような図解をどの順番で配置し、どのような文章を添えればユーザーの目を引くかという「設計図」を出力してくれます。汎用的なChatGPTでは難しい、その人独自の「秘伝のレシピ」がAIとしてパッケージ化されているため、同じ業界の運用担当者から「これなしでは仕事ができない」という熱烈な支持を得ることに成功しました。
言語の壁をゼロにする「コンテクスト理解型」翻訳AI
一般的な翻訳ツールは「正確さ」には長けていますが、「ニュアンス」の再現には課題があります。そこで成功を収めたのが、「海外の最新テックニュースを、日本のエンジニアが読むのに最適な語調で要約・翻訳するAI」です。
専門用語を適切に日本語の業界用語に置き換え、かつ「なぜこの記事が今、注目されているのか」という背景解説まで加えてくれるため、情報収集の効率を極限まで高めてくれます。こうした「かゆいところに手が届く」工夫こそが、継続利用を促す最大の要因となります。
ストアの荒波を乗り越えるための戦略的プロモーション術
優れたGPTsを作っても、知られなければ存在しないのと同じです。現在のGPTストアの仕組みでは、ストア内の検索を待つだけでは不十分です。成功しているビルダーが実践している「ストアの外」での宣伝術を身につけましょう。
視覚的なインパクトで「体験」を届ける動画プロモーション
X(旧Twitter)やTikTokなどのSNSでは、文章で説明するよりも「実際にAIが動いている様子」を動画(画面録画)で見せるのが最も効果的です。
- 【ビフォーアフターの提示】:従来の方法で30分かかっていた作業が、あなたのGPTsを使うことでわずか10秒で終わる様子を15秒程度の短い動画にまとめます。
- 【プロンプト公開による信頼構築】:あえて一部のプロンプトを公開し、「ここまでこだわって作っているから精度が高い」という裏付けを見せることで、利用のハードルを下げます。
ユーザーは「自分にもできそう」「これは便利そうだ」という直感的な感覚に基づいて利用を開始します。
「利用者の声」を資産化するコミュニティ運営
初期のユーザーを獲得したら、その声を積極的に吸い上げる仕組みを作ります。例えば、無料のコミュニティツール(DiscordやSlackなど)を立ち上げ、ユーザーからの要望を直接受け付けるようにします。
「〇〇の機能を追加してほしい」という要望に即座に対応し、アップデートを繰り返す様子を公開することで、ユーザーはあなたの「ファン」になります。熱心なファンは、自発的にSNSであなたのGPTsを拡散してくれる「アンバサダー」へと変わってくれます。個人のクリエイターが企業に勝てる最大の武器は、この「圧倒的なスピード感と距離の近さ」にあります。
ビルダープロフィールの作り込みによる信頼醸成
GPTストアでは、作成者のプロフィールを確認するユーザーが少なくありません。ここを充実させることで、ブランドとしての信頼度を高めることができます。
- 「どのような専門性を持ってこのAIを作ったのか」を明記する。
- 自分の公式ウェブサイトや、他のSNSアカウントへのリンクを確実に設定する。
- アイコン画像には、あなたのコンセプトを象徴する清潔感のある精緻なデザインを使用する。
「誰が作ったか」が明確であればあるほど、企業などのビジネスユーザーも安心して利用できるようになります。
ニーズの枯渇を防ぐための「アイデア発想法」とリサーチ技術
長く稼ぎ続けるためには、一つのヒット作に頼るのではなく、次々と新しいニーズを見つけ出し、GPTsのポートフォリオを構築していく必要があります。
日常の「ちょっとした不満」を書き留める癖をつける
最も強力なニーズは、あなたの日常生活の中に隠れています。 「このメールの返信、いつも同じことを書いていて面倒だな」 「このデータの集計、もっと一瞬で終わらないかな」 こうした「微かな不便」を感じた瞬間、それをメモに残してください。あなたが感じている不便は、世界中の数千人、数万人が同じように感じている不便である可能性が高いのです。
既存の「高単価なサービス」をAIで民主化する
世の中には、数万円〜数十万円を払って専門家に依頼するようなサービスがたくさんあります。そのプロセスの「一部」をAIで自動化し、数千円、あるいは分配金モデルによる「無料」で提供できないかを考えます。
例えば、プロのコピーライターが行う「ヒアリングとコンセプトの整理」という工程をAIで再現できれば、高額な報酬を払えない個人事業主にとって、あなたのGPTsは神様のような存在に見えるはずです。
今この瞬間からあなたが踏み出すべき「収益化への5ステップ」
最後に、あなたがAIクリエイターとして第一歩を踏み出し、最初の収益を手にするための最短ルートを提示します。
ステップ1:ターゲットの「痛み」を一つだけ特定する
まずは、誰の、どんな悩みを解決するかを決めます。範囲は狭ければ狭いほど良いです。例えば「ブログを始めたばかりの人が、キーワード選定で1時間悩んでしまう」といった、具体的で解決可能な痛みを選んでください。
ステップ2:AIと対話しながら「プロトタイプ」を作成する
ChatGPTの「Create」タブを開き、AIにあなたのやりたいことを伝えてください。最初から完璧を目指す必要はありません。まずは「指示を入れれば、それなりの回答が返ってくる」という最小限の機能を持ったGPTsを1時間以内に作り上げてください。
ステップ3:「独自のナレッジ」を注入し、差別化を図る
ネットで検索して出てくる情報以上の価値を提供するために、あなたの経験談や、過去にうまくいった事例のデータなどを「Knowledge」セクションにアップロードします。これが、他の似たようなGPTsに負けないための「参入障壁」になります。
ステップ4:ストアに公開し、SNSで「第一声」を発する
勇気を持ってストアに公開しましょう。そして、X(旧Twitter)などで「こんな悩みを解決するAIを作りました。無料で使えるので試してみてください!」と発信します。この時、実際に使ってみた感想を募ることで、初期の利用データを集めることができます。
ステップ5:利用データに基づき、週に一度「磨き上げる」
利用状況やユーザーからのフィードバックを元に、プロンプトを改善します。この「改善のプロセス」自体もSNSで発信することで、あなたの活動が進行形であることをアピールでき、さらに多くのファンを獲得できます。
AIと共に、新しいビジネスの地平へ
GPTsの販売は、単なる小遣い稼ぎではありません。それは、あなたの知性や経験を「スケーラブルな(拡張性のある)資産」に変える、新しい時代の起業です。
あなたが寝ている間も、あなたの作ったAIが世界中の誰かの悩みを解決し、感謝され、その証として収益が積み上がっていく。そんな素晴らしい循環を、あなた自身の手で作り出すことができるのです。
最初の一歩は、小さな好奇心で構いません。AIという魔法のツールを手に、あなたのアイデアを形にしてみてください。数ヶ月後、あなたの作ったGPTsがストアのランキングに名を連ね、多くの人々の生活を支えている未来は、決して遠い夢ではありません。
新しい世界への扉は、今、あなたの目の前に開かれています。

